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胃カメラ 病理結果集計
(2020~2024)

2024年度までに、当院で行った上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)での、生検の結果を集計しました。

胃内視鏡検査(年度)

2020

2021

2022

2023

2024

進行食道癌

1

1

0

0

0

早期食道癌

0

1

2

2

1

食道異型上皮

2

7

12

11

2

食道平滑筋腫

0

0

0

0

0

好酸球性食道炎

2

4

2

4

4

進行胃癌

1

1

2

1

2

早期胃癌(腸型)

2

7

5

3

4

早期胃癌(胃底腺型)

1

0

0

0

0

胃腺腫

2

3

4

5

1

十二指腸腺腫

0

0

1

1

1

胃内視鏡検査数

1056

1438

1817

2064

2067

生検数

81

66

80

85

61

生検率 (%)

7.7

4.6

4.4

4.1

3.0

生検有所見率(%

13.6

36.4

35.0

31.8

24.6

癌発見率(%)

0.47

0.70

0.50

0.29

0.34

陽性反応適中度(PPV)

6.17

15.15

11.25

7.06

11.48

昨年度は、「早期」食道癌が1名、「進行」胃癌が2名、「早期」胃癌が4名、当院で発見されました。

2024年度も2023年度と同様の検査件数でした。

2023年度までに実施された岐阜県の胃癌検診補助事業(該当者が無料になる助成)で受診者数が大きく増えましたが、これを機に定期検査を受ける習慣が身についたのかも知れません。

食道癌・胃癌の発見数もあまり変わりませんでした。

検診の精度の目安は、生検率:11%以下、陽性反応的中率(PPV):5%以上、癌発見率:0.5%以上が理想です。

2024年度の生検率は3.0%、PPVは11.48%でクリアしていましたが、癌発見率は0.34%で理想を下回りました。

PPVの上昇と癌発見率の低下は、毎年定期検査に来られる患者さんの割合が増えたからで、良い事だと思います。

昨年胃癌が見つかった患者さんの中には、前年も当院で検査を受けられていた方もおられました。

前年はまったく異常が見られなかった場所に、5mmほどの平坦な癌が出来ていました。

患者さんは、元々ピロリ菌の感染歴があり、萎縮性胃炎という、癌が出来やすい部分をお持ちの方でした。

そのため毎年の定期検査をお勧めしていたのですが、昨年も受けていただいたお陰で発見が早く、1週間程度の入院で内視鏡治療により完治させることができました。

このように胃癌は’de novo 発がん'と言って、ある年に突然出来てくるタイプの危険な癌です。

萎縮性胃炎と診断された方は、1~2年ごとに是非、定期検査を受けましょう。